―主夫ログのはじまり―その2

 

 

○はじめに ~中編~

はじめの自己紹介が長引いてます(汗)ですが、もうしばしお付き合い下さいませm(__;)m

 

では早速まいります!

 

 

◎前回のあらすじ

グダグダなりに所帯臭い学生生活を終えた私は、徐々に福祉の道を学びながら各地を転々とするのでした。

 

さて、香川県高松市に移ることとなった私は、開設の準備を行う傍らで友人T氏の親父さん(今回の法人の院長)が懇意にされている法人さんも施設を開設されるとの事で、一時出向という形でお手伝いに入らせて頂く運びに。そちらの施設は複合型の施設で、デイサービスショートステイが併設となっており、スタッフが密に連携の取りやすく利用者も使い分けがしやすい仕組みとなっていました。そちらには約半年程お世話になり、いよいよ友人T氏との施設開設へ!

 

施設の種類としては有料老人ホーム(またいずれ分かりにくい介護施設の種類やその特徴を分かりやすく解説したいと思いますが)となり、内部にデイサービス訪問介護居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)を併設している形になります。経験者の方にはお分かり頂けると思いますが、主に入居者の生活を支えるのに必要なサービスを内部に揃え、効率的かつ包括的にバックアップするためのスタイルです。入居の判定は「重度・緊急・困難」を軸に、ほぼ寝たきりで医療のフォロー体制がなければ見れない方が中心で、7割が経管栄養の方でした。外部から見るだけの方からは「抱え込み」などと良くない表現をされることもありますが、これは無知あるいは体裁や上辺の公正さを盾にする自称「厳粛な福祉人」の思い込みです。確かにその「抱え込み」が周囲との情報を遮断し、利用者への不利益や不正に繋げるケースが見られていたのも事実。しかし、本来この形式は支援者間の情報共有や連携を確実なものにし、介護保険上のサービス外でも必要な対応がスムーズに行えるだけでなく、利用者も馴染みの関係性から気兼ねのない家庭的な環境を獲得しやすくなる等の大きなメリットがあります。むしろ、介護保険は24時間の生活を十分支えられるほど完成された制度ではないんです。この辺もいつか機会があれば福祉のモデルと合わせて現状と比較するような記事を書ければと思います。

 

話が大きくなりましたが、結果としてこの施設は院長が24時間の全面バックアップをして下さったおかげもあり半年で満床。常に待機者が席を待たれている状態となり、当施設の特徴を周囲にご理解頂けるようになりました。特に医療関係の方にご周知頂けたのは大きかったですね。困難な状態の方ばかりだったものの、看取りの最後の瞬間までしっかりとケアを行うことができました。しかし、香川に移り住んでから突然付き合うことになり一緒に住むことになった当時の彼女(現嫁)に、朝な夕な施設に入り浸る私の生活が心配だと説き伏せられ、結婚→出産のタイミングで奥さんの郷の神戸へと移り住む事となりました。四国に移り丸3年で、次は関西に旅立つ事となった私の放浪癖。奥さん曰く「今度こそ定住しようね」との事…。うん、毎回永住する心づもりでやってはいるんですけどね。

 

さて、神戸へ移る1か月前より出産準備のために里帰りしていた奥さん。新居での同居は子供が生まれてから約1か月後からの予定だったため、出産予定日にとりあえず休みを取っておく。と、なんとまさに予定日の夜中3時に電話が鳴り、身支度を整え明石大橋をブッ飛ばして病院へと駆けつけました。初めての子のお産に立ち会わなかった旦那への恨み言は今までの職場でも奥様方からよくよく耳にしていたので、自分こそはそうなるまい!日の出と共に海を渡り、病院に到着したのは朝8時前。病室前には笑顔のお義父さんが。「嫁子は…?」と尋ねると、「あぁ大丈夫。今生まれたみたいやから(笑)」

 

…え?

 

あーそういや元気な赤子の鳴き声が廊下にまで響き渡っていますねぇ。そこに看護師さん。

 

「あ、今来られたんですか??もう生まれちゃいましたよ!早く入って!」

 

ちゃいましたよって言われても…。すごすごと分娩台へと向かうと、取り上げられた赤ん坊と笑顔のお義母さん、そして見たこともないくらい汗だくで、目の隈と顔色の悪さが際立った嫁がそこにおりました。

 

「ハァ…いま来たん…?…ふう…」

 

ため息とも息切れともつかない声を振り絞り一言。しかしやはり、何を言ってよいのか頭は真っ白に。「お疲れさん」とでも言ったのかな?すぐに赤ん坊へと促され初めて見る新生児の姿。その時心底思いました。

 

「ほんっと猿みてーなんやな―…。」

 

 正直に書いておくと、元来子供嫌いな私はあらかじめ嫁に「子育ては協力できる自信はない」と明言していたほどのヘタレでしたOTLそしてやはりというか、わが子を見ても愛情が沸き起こる感覚も薄く、内心「あー、やっぱ男ってこんなもんなんかなー。自分大丈夫かいな…」とか自問自答していたのは嫁には内緒です。ちなみにお産に3分間に合わなかった事は今でも笑いのタネにされているのでまぁ良しとしておきます。

 

さて、そんなこんなで度重なる引っ越しにより荷造りと荷解きの段取りが非常によくなった事は収穫でした。一人でせっせと引っ越しの段取りを行い、いざ神戸の地へ!

 

→まさかの次回へ続く!(今度こそ最後ですっ)